森嶰谷筆『岡城真景図』 天下の名城である岡城を対岸にある片ケ瀬から描いたものです。作者は森懈谷で、岡藩の絵師です。懈谷は田能村竹田より20年若く、この時代に城の全容を詳細に描くことは秘密をばらすような行為とされましたが、すでにその危険性が薄らいでいたと考えられます。市井には田能村直入が描いたものや近代の岡本香邨が描いたものなどが見られますが、それらすべての原図とされたのがこの作品です。それだけに、非常に貴重なものです。